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2名からエントリーOK!あなたも大阪・関西万博「TEAM EXPO 2025」で主人公を目指してみませんか?

大阪・関西万博会場イメージ  提供:2025年日本国際博覧会協会

CultureNIPPONをご覧の皆さんは、2025年に開幕する大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)のことをどれくらいご存じですか?

開催は3年後に迫りましたが、「2025年にやるらしいね。よく知らないけど」「そもそも万博って何をする場所? テーマパークみたいなもの?」と、存在自体は知っているものの詳細を調べるほど関心がないという方がまだまだ多いのではないでしょうか。

実は、今回の万博は芸術祭やコンサート、伝統芸能のワークショップといった文化芸術活動を行っている全国の皆さんに、今のうちからぜひ注目してほしいイベントなんです。

なぜなら万博の事業の中には、規模の大小を問わず、文化芸術活動をしている、またはこれから活動しようとしている個人や団体が万博の主人公を目指せる「TEAM EXPO 2025」という参加型プログラムがあるからです!

本記事では、そんな「TEAM EXPO 2025」プログラムの概要や参加するメリット、具体的にどのような活動がエントリーされているのかをご紹介します。

大阪・関西万博とは?

会場イメージ  提供:2025年日本国際博覧会協会

万博(国際博覧会)は、各国の最先端技術や文化、芸術を世界に向けて発信する国際交流のイベントです。同時に、一つの国だけでは解決できない地球規模のさまざまな課題解決のためアイデアを出し合う、よりよい社会へ向けた目的実現のための場所でもあります。

大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」を舞台とする2025年大阪・関西万博は、2005年に開催された愛・地球博に続き、20年ぶりに日本で開催されるものです。

屋外イベント広場イメージ 提供:2025年日本国際博覧会協会
環境演出催事のイメージ  提供:2025年日本国際博覧会協会

メインテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。

気候変動や生物多様性の損失をはじめとする社会問題に直面し、新型コロナウイルスの脅威にさらされ、今まさにウクライナ危機を目の当たりにしている私たちは、「いのち」の大切さにあらためて向き合う必要があるのではないか。

一人ひとりが多様な価値観を尊重しながら、健康や将来の心配をすることなく、それぞれの「いのち」の可能性を最大限に発揮できる――そんな「いのち輝く未来社会」を実現するにはどうしたらいいのか。

こうした考えは、2030年を目標年とするSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた具体的なアクションにもつながります。

「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」など、SDGsの17の目標

「いのち輝く未来社会」のため世界中の人々がアイデアを創造・発信・共有して、未来社会を共につくる=「共創」する場所。
イノベーションや技術革新を促進する場所。

それが「未来社会の実験場」をコンセプトとする大阪・関西万博なのです。

■大阪・関西万博の詳細はこちら
■SDGsの詳細はこちら

 

「共創」を目指すことはこの万博の大きな特徴の一つです。それは、たとえば万博のパビリオンの出展者たちだけ、といった狭い範囲内でのアクションを指すのではありません。

特定の企業だけ、特定の価値観だけの力では「いのち輝く未来社会」の実現、ひいてはSDGsの達成は難しいでしょう。不可欠なのは、世界中の多様な立場の個人や組織が垣根を取り払って「共創」に参加し、課題を解決しようとする主体性です。

そのために大阪・関西万博では、「TEAM EXPO 2025」という参加型プログラムをテーマ実践の手段として用意しています。

みんなが作るワクワクが、きっと未来の社会にかわる――「TEAM EXPO 2025」プログラム

「TEAM EXPO 2025」特設WEBサイト

「TEAM EXPO 2025」プログラムは、多様な一般の参加者が主体となり、「ワクワクする未来」を共に創り上げていくことを目指すという、従来の“万博は見に行くもの”というイメージを覆す取り組み。

誰かが手を挙げて、「ワクワクする未来」を宣言する。
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その「ワクワクする未来」に賛同したさまざまなメンバーが集まる。
↓↓
「ワクワクする未来」のため、メンバーたちとともに身のまわりの課題を解決する。
↓↓
「あ! ちょっと社会が良くなった!」というワクワク体験を増やす。

 

この体験の積み重ねが、「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現、SDGsの達成につながるという考えから生まれたプログラムです。

対象となるのは、企業、教育・学術・研究機関、国・政府関係機関、国際機関、自治体、NGO、NPO法人、各種団体、個人など……いろいろ書きましたが、2名以上であれば誰でも、全国どこからでもエントリー可能です!

エントリーには費用が掛からないので、大きな資本を持たなくても気軽に万博に参加できるという珍しいプログラムになっています。

参加方法は「共創チャレンジ」「共創パートナー」の2種類。

イメージ

「共創チャレンジ」は、自らが描く未来の実現に向けた具体的な活動です。

未来へ向けてワクワクしながら進めている活動を、個人をベースとした共創メンバーからなるチーム単位(2名以上)や、企業・団体のプロジェクト等の単位でエントリーできます。活動はこれから進めるものでも、今すでに取り組んでいるものでもOK。

エントリーできる活動の分野は不問で、ズバリSDGsの達成を目的にしたもの、文化芸術に関する創造的なもの、ライフサイエンスやヘルスケアに関するもの、人材育成に関するものなど、それぞれが理想とする未来社会につながる活動であれば基本的に何でも問題ありません。

 

ただし、エントリーに当たっては、チャレンジの活動内容を明記するほか、その活動がSDGsの17の目標のうち、どの目標の達成に貢献できるかを宣言する必要があります。

そう聞くと、文化芸術活動をされている皆さんのなかには、
「SDGsの達成に貢献……? ちょっとよくわからないけど、自分の活動とは関係なさそう」
と思ってしまう方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。

たとえば、17の目標のうち、楽器演奏のワークショップであれば「4.質の高い教育をみんなに」が少なからずかかわるでしょうし、障がい者アートの展覧会であれば「3.すべての人に健康と福祉を」「8.働きがいも経済成長も」などが該当するでしょう。

SDGsとは、簡単にいえばすべての人が「よりよく生きる」ための目標です。よりよく生きるために文化芸術という要素は切り離せませんから、基本的に共創チャレンジとしてエントリーできると考えて大丈夫です。

イメージ

一方で、自らのリソース(人材、モノ、資金、フィールド、情報発信力など)を提供して共創チャレンジを創り出したり、他の共創チャレンジを支援したりしながら「TEAM EXPO 2025」プログラムを盛り上げる「共創パートナー」の形で参加する方法もあります。(法人・団体限定/個人でのエントリー不可)

ロゴマーク  提供:2025年日本国際博覧会協会

「TEAM EXPO 2025」にエントリーすると、

「TEAM EXPO 2025」特設WEBサイトで情報発信できる
・「TEAM EXPO 2025」専用のロゴマークの使用権獲得
・オンラインやリアルでプログラム参画者同士の交流や、活動発表の機会が提供される

というメリットがあります。

「共創チャレンジ」でワクワクと明確な目標をもって動いている人を見たら、その活動を応援したいという人もきっと現れるはず。「TEAM EXPO 2025」へエントリーすることで、これまで実現不可能だった皆さんの夢が叶うかもしれません。

ベストプラクティスエリアのイメージ 提供:2025年日本国際博覧会協会

2025年には、本プログラムから生み出された活動や輝く人を万博会場やオンラインなどで紹介し、世界へ発信。

実践的で世界各地で再生可能な、将来のために活用できる特に優れた活動は「ベストプラクティス」として位置づけられ、会場内に設けたベストプラクティス展示エリアで展示・展開予定。万博閉幕後も、優れた活動はレガシーとして継承されていきます。

つまり、「TEAM EXPO 2025」から新たな万博の主人公が生み出されるということ!

「ワクワクする未来」に向けてすでに動いている方も、今後画期的なアイデアを思いついた方も、ぜひ積極的にチャレンジしてみてください。

■エントリーの詳細はこちら

 

【共創チャレンジ】万博の認知拡大を目指す有志団体「demo!expo」にインタビュー

demo!expoロゴ

具体的に「共創チャレンジ」にエントリーしているのはどのような団体・活動なのでしょうか? 代表例として、有志団体「demo!expo(デモエキスポ)」の設立メンバーである灘広樹さん(BABY JOB株式会社 取締役)と花岡さん(株式会社人間 代表取締役 / 変なプロデューサー)にお話をうかがいました。

大阪・関西万博の認知拡大と啓発、そして大阪を盛り上げるために活動されている「demo!expo」は、大阪にゆかりのある企業・学生・クリエイターによって構成された有志団体です。

(左)灘さん、(右)花岡さん

――団体設立の経緯と、「共創チャレンジ」エントリーのきっかけを教えてください。

灘さん「団体を立ち上げたのは2021年の5月頃。当時は国も行政も万博の状況を作り上げるのに手一杯で、まったくプロモーションが足りていないと感じていました。周囲に聞いても、『なんか万博やるらしいね』くらいの感じで……。万博にどう自分たちが絡んでいけるのか、関西が盛り上がる機会をどう生かせるのか、イメージできていないようでした。それってすごくもったいないよねと仲間と話し合いまして。大阪・関西の人たちが万博に向けて動き始めるきっかけをつくりたい、エリアとして盛り上がるイメージができるものをつくっていきたいなと考えたのが背景にあります。

設立メンバー5名はそれぞれ別の会社の人間ですが、会社を背負っているわけではなく、完全に個人としての活動です。とりあえずやってみよう! で集まったメンバーで、実はそれぞれ万博に対する思いもモチベーションもバラバラなのですが、だからこそ幅広いアイデアが生まれていると感じています」

花岡さん「弊社はアーティストのような活動をしながら広告デザインもしています。約40年関西に住んで、大阪中心に活動している立場で言うと、大阪に文化芸術活動がほぼなくなっていっていることに危機感を覚えています。僕はアートが好きですが、大阪では芸術の秋ですらアートイベントというのものがほぼゼロ。そこで、こういった万博を機に文化芸術というものを復活、盛り上げていく仕組みになればいいなと仲間集めや盛り上げる仕組みとしてdemo!expoを立ち上げました。

弊社がTEAM EXPO 2025の共創パートナーに入っていまして、関係者の皆さんとずっと情報交換していたこともあり、じゃあ一緒にやりましょうというところで共創チャレンジにエントリーした形です」

「EXPO TEAM CAMP 2022」の会場になった夢洲の木造パビリオン

――2022年3月26日には万博の舞台である夢洲で、大阪・関西万博について学び、語り合うキャンプ型イベント「EXPO TEAM CAMP 2022」を開催されましたね。具体的にどんな内容のイベントだったのですか?

灘さん「まず万博はどういうものか、万博がある未来はどんなものなのかを知る機会を提供すること。そして万博で共創する仲間づくりのため、つながりを促進する目的で開催したイベントです。本来であれば焚火を囲んだ1泊2日のキャンプにする予定でしたが、天候の問題で予定を変更して宿泊はナシになりました。

第1部はトークセッション。ロケット開発をしているインターステラテクノロジズ株式会社の稲川貴大さんや、空飛ぶクルマを開発している株式会社SkyDriveの福澤知浩さんなど9名のゲストを迎えて、未来のテクノロジー、若い世代の万博のかかわり方、共創は実現できるか、などのテーマについて語り合っていただきました」

トークセッションの様子
トークセッションの様子
トークセッションを聞く参加者

花岡さん「第2部は交流会です。ゲストを含め、大阪・関西万博に関わっていきたいと考えている80~90名ほどの参加者をグループ分けして、トークセッションの感想や、それぞれの夢について語り合う時間を設けました。グループは知り合いで固まらせず、この人とこの人を出合わせたら面白そう、という基準で、なるべく異文化、異なるカテゴリーの人同士で組み合わせたんです。初対面の人同士ではなかなか後に続く関係づくりが難しいだろうということで、後日メッセージを届ける交流カードをポストに投函してもらうなど、イベントが終わってからもつながれるような仕組みも考えました」

交流会の様子
交流会の様子

――イベントのオープニングには関西の大学生が中心となって開催するイベント「キャンパスコレクション」のパフォーマンスもあったそうですね。

花岡さん「はい。オープニングアクトは、キャンパスコレクションから生まれた劇団『キャンパス・アクター』の方々が、万博当日に舞台裏で働いている人をモチーフにした演劇を披露してくれました。オープニングで若い方々のエネルギーを目の当たりにすることが良い効果を生むのではないかと考えました」

灘さん「未来を考えるときに私たち大人のメンバーだけではなく、これからの未来をつくる学生の存在が重要なので、彼らのどんどん前を向いていくパワーを表現していただきました。会場の固さを取り除いてくれたかなと。イベントの立ち上げにそういった華やかさと柔らかさと提供してくれてありがたかったです」

パフォーマンスの様子

――イベントの手ごたえは?

灘さん「キャンプがなくなったのでどうなることかと心配していましたが、かなり参加者の満足度は高かったようです。イベントの終わりには必ず第2回(のキャンプ)はやろうと宣言もしました(笑)。こういうことやったら面白いよね、といろいろ新しいアイデアも出ましたよ。あと、夢洲の何にもない会場予定地を見て、うーん、3年後に向けてみんなが立ち上がらないと、このままだとまずいぞ……みたいな空気もあって、万博へ向けた思いも強くできたと思います」

花岡さん「一般的な交流会とは違い、参加者には高校生も参加していました。トークセッションゲストや社会人の皆さんは高校生と交流する機会があまりないと思うので、その価値観に触れる体験も刺激があったかと思います。万博は3年後ですが、この先SDGsの問題って若い世代が背負っていくので、若者がどう考えているのかを知れたのは大きいのかなと。今回のイベントは完全招待制ということもあり、お金儲けではなく純粋に万博を盛り上げたいという気持ちで参加している方が多かったおかげで盛り上がったと感じています。

実はイベントの後、さっそくTEAM EXPOさんと打ち合わせをしました。イベントで得た知見を共有したところ、万博にやる気のある人が集まれる場所がこれまでなかったから、街中にオープンスペースで拠点をつくりたいですねと、新しいプロジェクトが生まれそうな気配がありました。こうやって民間からアクションを起こしていかないと万博は成功しないだろうと感じましたし、大阪・関西の未来もここにかかってきそうな気がします」

万博への思いを強くした参加者たち

――万博に興味はあるけど、どう参加したらいいのか迷っている方たちに期待したいアクションはありますか?

灘さん「まずは手を挙げてみてほしいということ。とりあえずやってみればいいんじゃないかなと。当初の計画がそのままうまくいくことってあまりありません。やってみた後に軌道修正がいることはたくさんあるので、大層な計画を初めから立てようとするより、どんどんブラッシュアップしていくほうが結果としてうまくいくと思っています。TEAM EXPOさんはそのアクションに対してしっかり支援してくれると思いますよ」

 

――CultureNIPPONをご覧の皆さんにメッセージをお願いします。

灘さん「私は海外に住んだ経験もあるのですが、文化芸術について実感するのは、日本人としての性質・性格と日本の文化というのは世界に誇れるものだいうこと。ただ、文化芸術そのものにフォーカスしすぎるあまり、それを発信すること・広げることが得意ではないところがあるのではないでしょうか。なので、そのためのパートナーを見つけるべきかなと。TEAM EXPOさんは必ずパートナーを探すきっかけになると思いますよ。どういう目的で参加して、何を得たいのかをよりクリアにして手を挙げて実践してみると、本当に世界に光り輝く日本というものを作れると思いますので、文化芸術に携わる皆さんにはぜひすばらしい活動を広げていってもらえたらと願っています」


ひとつの共創チャレンジから、すぐに万博を盛り上げたい人たちのための拠点をつくるプロジェクトが生まれる話に発展するとは驚きです! 「迷うくらいならとりあえずやってみよう」というシンプルな市民団体や民間企業のアクションが、万博成功の鍵になるのは間違いなさそうですね。

1970年に日本、そしてアジアで最初に開催された大阪万博は日本の高度経済成長を象徴する一大イベントとなりました。会場ではワイヤレステレフォンや電気自動車、動く歩道などが登場し、夢のある未来の技術に人々は胸を躍らせましたが、2025年の大阪・関西万博では、私たちはどんなワクワクする未来の姿と出会えるでしょうか。

「いのち輝く未来社会」を象徴する技術や活動を生み出すのは、これを読んでいる皆さんかもしれません! 今後も大阪・関西万博、そして「TEAM EXPO 2025」の動きにご注目ください。

 

 

【概要】大阪・関西万博
開催場所:夢洲(大阪市臨海部)
開催期間:2025年4月13日~10月13日(184日間)
来場者数(想定):約2,820万人
テーマ :いのち輝く未来社会のデザイン”Designing Future Society for Our Lives”
サブテーマ :Saving Lives(いのちを救う)、Empowering Lives(いのちに力を与える)、Connecting Lives(いのちをつなぐ)
コンセプト:未来社会の実験場-People’s Living Lab-

■大阪・関西万博について
https://www.expo2025.or.jp/
■「TEAM EXPO 2025」について
https://team.expo2025.or.jp/
■demo!expo「EXPO TEAM CAMP 2022」について
https://demoexpo.jp/